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- テラスのあるお庭
- こちらのお庭はアトリエブロンズリーフさんがリガーデンを手掛けるお庭で、その一環として石張りのテラスを施工させていただきました。<div><br></div><div>私自身、輸入石材での乱張りは初めての事でした。</div><div>また、今回は着工当日に石材と初対面という状況だったので、どこか落ち着かない気持ちでの初日でした。</div><div>用意された石材を見ると大きめの石が多く、尚且つ尖った形のものが多くあるのが分かりました。</div><div>加工が大変そうだと思いながらも、今回のこ石材の特徴をうまく活かせないかを考えながら土木作業を進めいざ石張りの段階の頃にはこの円形のテラスと尖った大きめの石材の特徴を活かしたモチーフでデザインしてみようと決めていました。</div><div><br></div><div>あまり嫌味にならないように…お施主様の反応は…?アトリエブロンズリーフさんの反応は…?</div><div>などと探りつつ(笑)</div><div><br></div><div>けれどその心配はなくお二方とも私の仕事を喜んでくださいました。</div><div>お施主様は太陽のようだと気に入ってくださり、アトリエブロンズリーフさんからはお花のようだと仕事ぶりを褒めていただきました。</div><div><br></div><div>今回の施工を通し改めて感じたのは、状況をよく把握し、材料をよく観察しながら最善を尽くす事の大切さでした。</div><div>この機会をくださったお施主様とアトリエブロンズリーフさんに感謝すると同時にいい形で終われた事にほっと胸を撫で下ろすのでした。</div>
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- ウメ(梅)
- <strong>ウメ(梅)</strong><div>〇バラ科サクラ属/落葉小高木~高木/雌雄同株/日当たりのよい所を好む</div><div><br></div><div>梅といえば桜とともに日本人とかかわりの深い花木といえるのではないでしょうか。現代では花見といえば桜ですが、万葉の時代の人々は春になれば梅の花を髪にさし春を喜び宴を楽しんでいたようです。</div><div>昔は花といえば梅だったんですね。そしてこの梅の花は花そのものというよりは、その香りに思いを寄せていたようです。楽しむ花も楽しみ方も時代とともに変化したのですね。</div><div><br></div><div>そんな古くからかかわりの深い梅の木ですが、原産は中国で日本には自生はなかったとされています。(九州地方で自生があったとの説も)それが伝来したのは‟烏梅(うばい)”という青梅を燻製、乾燥させた漢方薬としてだったようです。</div><div>そして今も私たちの食生活に欠かせない梅干しも元来は薬として用いられていたようで平安時代の医学書に登場します。戦国時代には野戦糧食として重宝され、江戸時代になって日常的に食され始めたといいます。</div><div><br></div><div>この梅干しを作りたい、または梅酒を作りたい、など実をならす目的で植える場合は実のなりやすい品種の実ウメを植えます。ウメにはさまざまな品種がありますが、大きく分けて実ウメと花ウメとがあるのです。そしてたとえ実ウメを植えたとしてもウメは自家受粉しにくい性質があるので品種の違うものを二本以上植えるとよいでしょう。実も花も両方楽しみたいという場合は結実を促すうえでも実ウメと花ウメの二本を植えるのもいいですし、二本は植えれないという場合で両方楽しみたければ実ウメを植えるのがよいでしょう。<br></div><div><br></div><div>どちらを楽しむにしても、やはり梅の木を大切にされてる方は多く、建て替えなどでも‟この梅の木だけは”などと移植を依頼される事もほかの木に比べて多いように感じます。そしてほとんどの場合、失敗する事はないほど梅は移植に強い木です。</div><div><br></div><div>〇ウメの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 5 , 6月 及び 9 ~ 12月</div><div> </div><div> 植栽、移植 11 ~ 3月</div>
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- キンモクセイ
- <strong>キンモクセイ</strong><div>〇モクセイ科モクセイ属/常緑小高木/雌雄異株/日当たりを好むが日陰でもよく育つ</div><div><br></div><div>キンモクセイは中国原産で日本での自生はなく江戸時代に雄株のみが渡ってきました。そのため日本ではキンモクセイに実はつきません。もしもキンモクセイに似た木で実をつけているものがあれば、それはウスギモクセイです。こちらは九州地方で自生が見られるようです。そしてキンモクセイに似た木で花が白いものがあれば、それはギンモクセイです。この三種は葉っぱだけでは見分けがつかないほどよく似ていますが、見かける頻度は圧倒的にキンモクセイが多いでしょう。けれどこの三種のうちではギンモクセイが親玉でキンモクセイとウスギモクセイはギンモクセイの変種とされています。</div><div><br></div><div>キンモクセイは中国名を「丹桂」といい(キンモクセイと丹桂が同一種かは疑問視もされている)、これは「丹」が橙色をさし、「桂」がモクセイの仲間をさします。また中国では「桂」にあたるモクセイの仲間を「桂花」といい、「桂花茶」の原料として栽培されています。</div><div>日本ではその香りが重宝され、「ジンチョウゲ」と「クチナシ」と並び三香木とされています。秋風いっぱいに漂うキンモクセイの香りは私たちに季節の移り変わりを知らせてくれますが、その香りの成分にはモンシロチョウなどの忌避作用のあるのもがふくまれているそうです。またその香りの強さから、かつては便所の脇に植えられていたり、トイレの芳香剤としても定番となり、「便所の木」と嫌煙する声もなかには聞かれます。良くも悪くも私たちに馴染みの深いキンモクセイの花言葉は「謙虚」と「真心」です。</div><div><br></div><div>〇キンモクセイの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 2、3月 及び 5、6月 及び 10、11月</div><div><br></div><div> 植栽、移植 3、6月 及び 9、10月 </div><div><br></div><div><br></div>
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- スギ(杉)
- <strong>スギ(杉)</strong><div>○スギ科スギ属/常緑高木/雌雄同株/沢沿いに多く土壌の深い所でよく育つ</div><div><br></div><div>杉と私たち日本人の関わりは深く、日本書紀では杉(スギ)と檜(ヒノキ)と樟(クス)と柀(コウヤマキかイヌマキいずれか)の四種が樹木の誕生とされており、なかでも杉は神聖な樹として位置付けられていたようです。直立した幹の立ち並ぶ森林の中で感じる神々しさを思うと納得です。そして、その幹が直立する姿から「真(す)ぐ木」がスギという名前になったと言われています。</div><div><br></div><div>そんなスギは言わずと知れた建築材木の重要樹種のひとつで、その歴史も古く静岡県の登呂、山木遺跡などからは多くのスギの板材が出土しています。鋸などの工具が発達していない古代においても利用されていたのには木目が真っ直ぐに通り、割りやすかった事などが考えられています。</div><div>そんな古代から関わりの深いスギの植林地を、柿本人麻呂は「古の人の植えけむ杉が枝に霞たなびく春は来ぬらし」と詠んでいます。</div><div>現在でも日本における人工造林面積はスギが最大ですが、多くの課題を抱えているのもまた事実です。木材の海外依存による使用量の減少とそれに伴う林業の衰退、放置林などにみられる山の脆弱化と自然災害の増加、都市における生活向上と自然環境との分離で蔓延する花粉症、このような負の連鎖からの脱却が求められています。</div><div><br></div><div>また、スギは地域における形態や生態の差異が出やすいとされ、日本海側と太平洋側でも違いがみられ、なかでも屋久島の屋久杉は特有の姿をしています。そんな特性から、地域ごとに独特な育て方がなされてきました。奈良県の吉野杉、秋田県の秋田杉、富山県の立山杉などが有名ですが、庭の世界で避けて通れないのは京都北山地方の台杉ではないでしょうか。垂木として利用するための独自の育て方により、根元から何本もの幹のが直立したその頂点に葉の茂る独特の姿が庭木として価値があるとされ庭に持ち込まれました。</div><div><br></div><div>〇スギの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 3、4月 及び 9、10月</div><div><br></div><div> 植栽、移植 3、4月</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div>
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- 環境整備
- こちらのお寺で大切にされているシラカシの大木。<div><br><div>根元の立ち入りによる土の硬化や落ち葉の掃き出しによる土の乾燥、流出が深刻になり、対策として竹炭と境内でできた腐葉土を鋤き込み、枯れ枝などを利用したしがらみ柵をつくり、落ち葉を敷き詰めました。</div></div><div><br></div><div>こうすることで立ち入りを防ぎ、落ち葉の堆積による表土の保護につながります。</div><div>これはお寺での事例ですが、お庭でも落ち葉による炭素の循環を促しつつ、植木の健康とお庭の環境を整えるくふうをご提案できたらと考えています。</div>
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- ツバキ(椿)
- <strong>ツバキ(椿)</strong><div>○ツバキ科ツバキ属 / 常緑高木 / 日当たりのよい所を好むが日陰でもよく育つ</div><div><br></div><div>ツバキは日本原産の常緑樹で名前の由来ともなった艶やかで(艶葉木)厚みのある(厚葉木)常緑の葉の枝先につける淑やかな花が魅力の花木です。</div><div>古くから庭木として重宝され、そのため園芸品種も多く国内だけで2000種以上といわれ、その人気は国内にとどまらず欧米でも‟カメリア”という名で親しまれ品種改良が行われてきました。</div><div><br></div><div>そんな花に惹きつけられるのは人間だけだはないようで、花の時期にはメジロ、ヒヨドリ、ムクドリなどの鳥たちが花の蜜を求めてひっきりなしに飛んできます。ヒヨドリなんかはよっぽど好きなのか花びらごと食べてしまいます。やがて花の時期も終わる頃、花弁は散ることなく花の形のまま地面に落ちてしまいますが、あたり一面絨毯を敷いたようなその風景は‟落ち椿”と呼ばれ四季の移ろいを感じさせてくれます。けれどその花の落ち方が不吉だという事で武家の庭には植えられなっかったと聞きます。</div><div><br></div><div>花とともに魅力なのがその艶やかな葉っぱですが木の葉を好むチャドクガの幼虫には要注意です。その全身にある毒針毛に触れるととにかく痒くかぶれてしまい、その患部は掻くごとに広がりなかなか治まってくれないのです。しかもこの毒針毛は成長の過程で脱ぎ捨てた抜け殻にも毒を保ったまま残っています。さらに幼虫の間だけではなく成虫になっても毒針毛をもっているので注意が必要です。</div><div>けれどこのチャドクガの発生、市街地で見られる現象で自然環境下ではないそうです。</div><div><br></div><div>○ツバキの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 5~7月 及び 9~11月</div><div><br></div><div> 移植、植栽 5,6月 及び 2、3月</div><div><br></div>
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- イロハモミジ
- <strong>イロハモミジ</strong> <div><strong>○</strong>カエデ科カエデ属 / 落葉高木 / 雌雄同株 / 日当たりのよい所を好む</div><div><br></div><div>秋の紅葉を代表する樹木「モミジ」その代表格がこのイロハモミジです。</div><div>葉っぱの裂片を「いろはにほへと」と数えたことからそう呼ばれるようになったとされるイロハモミジは、その葉の繊細さと新緑から紅葉への移り変わりの美しさから庭木として長く愛されてきました。</div><div>そのため園芸品種も多く、日本に自生するカエデ属の樹木26種(諸説あり)のうち主にイロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジ、ハウチワカエデから多くの園芸品種が生み出されています。</div><div><br></div><div>そのことも相まって、和風のお庭から洋風、モダン住宅まで幅広く植えられる庭木です。</div><div>けれどその良しあしも植栽後の手入れによって左右されもするので注意が必要です。自然風な樹形や枝ぶりを維持する手入れを心がけるべきですが、それは放任とは違い、むしろ自然風がいいからと放っておいて強剪定を余儀なくされてしまうとかえって木を傷める事になります。落葉期であれば強剪定も可能ですがモミジは落葉中であっても樹液の流動は新芽に先立って早くから始める休眠の短い樹木なので注意が必要です。</div><div>また、カミキリムシの幼虫であるテッポウムシの被害も受けやすいので健康に育つ環境づくりを心がけましょう。</div><div><br></div><div>○イロハモミジの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 5、6月 及び 9月~12月</div><div><br></div><div> 移植、植栽 11、12月 </div>
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- クロマツ(黒松)
- <strong>クロマツ(黒松)</strong><div>〇 マツ科マツ属 / 常緑高木 / 雌雄同株 / 日当たりのよい所を好む <br></div><div><br></div><div>松の代表格といえば黒松ではないでしょうか。三保の松原に代表される「白砂青松」の風景は日本の原風景の一つです。それは黒松が潮風に対する抵抗性が強く、海岸の砂浜や岩上などのやせ地に自生していたことに加え、その特性を活かし古来より海岸線に植樹し、防風林として利用していた先人たちの知恵により受け継がれてきました。</div><div><br></div><div>ちなみに、黒松が海岸などのやせ地に生育するのに対し、赤松は尾根や岩山のやせ地に生育します。</div><div>この黒松と赤松は庭木として使われる松の代表で、それぞれの容姿から、黒松を男松(オトコマツ)赤松を女松(オンナマツ)と男女に例えて呼ばれました。</div><div>その違いは手入れにも表れます。黒松は枝を透かし古い葉を手で落として凛とさせるのに対し、赤松は枝葉の緑と幹の赤の対比がより鮮やかに艶やかになるように必要以上の枝透かしはせず、古くなった幹肌を剥ぎ取り幹の赤みを出すのです。</div><div>このほか庭木として使われる松には、五葉松や大王松や多行松があります。</div><div><br></div><div>材木としては古くから軟弱地盤の基礎杭として利用されてきました。松杭は地中では腐ることもなく百年もつとされ、実際に建築現場などでは古い時代に使われた松杭が原木のまま地中から発見されています。</div><div>そのほか、木目が大きく使い込むにつれ光沢が出ることから内装や廊下に使われることが多いようです。</div><div>また、松ぼっくりは松脂を多く含み、天然の着火剤としてアウトドアで活用され、松葉はいぶし瓦を製造する際のいぶし剤として使われたそうです。</div><div><br></div><div>○クロマツの手入れ</div><div> </div><div> 剪定 11~2月 及び 5~7月</div><div><br></div><div> みどり摘み(新芽が柔らかいうちに摘み取る作業) 5月中旬から6月上旬</div><div><br></div><div> 移植、植栽 2、3月 及び 5、6月</div><div><br></div><div><br></div>
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- 小端積み花壇
- コッツウォルズストーンを用いたこちらの花壇は、植物好きで地域の緑化運動もされておられるお施主様のお庭の一画に造らせていただいたものです。<div>こちらのお庭は、お施主様ご自身のガーデニングや植物の手入れにより常に綺麗に保たれ、春にもなれば港北区の行うオープンガーデンイベントに訪れた人々で賑わいます。<div><br></div><div>そのイベントに向けた新たな見どころとして今回の花壇を計画されたそうで、ご期待に応えるべく気を引き締めて施工させていただきました。</div></div><div>コッツウォルズストーンといえば英国式石積みのドライストーンウォーリングに使われる蜂蜜色の石灰石です。貴重なその石を使い、小端積みで花壇を造る機会に全神経を集中させます。</div><div>今回の工事でもドライストーンウォーリングと同じようにコンクリートは使わず、石同士の組み合わせと石の自重とで強度を出し、積み上げていきました。</div><div><br></div><div>お施主様の見守るなか、私は植物の植わる背面にも小端積みの壁面を造る事を提案しました。そうすることにより、石と植物がより調和し見た目が引き締まると考えたからです。</div><div>これにはお施主様にも喜んで賛成していただき、完成した花壇をご覧になって大変満足されるご様子に私もほっと胸を撫で下ろしたのでした。</div><div>この後、この花壇がどんな風にお庭を飾るのかを楽しみにしながら、イベントの時には足を運ぶことを約束してお庭を後にしました。</div>