キンモクセイ
キンモクセイ
〇モクセイ科モクセイ属/常緑小高木/雌雄異株/日当たりを好むが日陰でもよく育つ
キンモクセイは中国原産で日本での自生はなく江戸時代に雄株のみが渡ってきました。そのため日本ではキンモクセイに実はつきません。もしもキンモクセイに似た木で実をつけているものがあれば、それはウスギモクセイです。こちらは九州地方で自生が見られるようです。そしてキンモクセイに似た木で花が白いものがあれば、それはギンモクセイです。この三種は葉っぱだけでは見分けがつかないほどよく似ていますが、見かける頻度は圧倒的にキンモクセイが多いでしょう。けれどこの三種のうちではギンモクセイが親玉でキンモクセイとウスギモクセイはギンモクセイの変種とされています。
キンモクセイは中国名を「丹桂」といい(キンモクセイと丹桂が同一種かは疑問視もされている)、これは「丹」が橙色をさし、「桂」がモクセイの仲間をさします。また中国では「桂」にあたるモクセイの仲間を「桂花」といい、「桂花茶」の原料として栽培されています。
日本ではその香りが重宝され、「ジンチョウゲ」と「クチナシ」と並び三香木とされています。秋風いっぱいに漂うキンモクセイの香りは私たちに季節の移り変わりを知らせてくれますが、その香りの成分にはモンシロチョウなどの忌避作用のあるのもがふくまれているそうです。またその香りの強さから、かつては便所の脇に植えられていたり、トイレの芳香剤としても定番となり、「便所の木」と嫌煙する声もなかには聞かれます。良くも悪くも私たちに馴染みの深いキンモクセイの花言葉は「謙虚」と「真心」です。
〇キンモクセイの手入れ
剪定 2、3月 及び 5、6月 及び 10、11月
植栽、移植 3、6月 及び 9、10月