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- タイサンボク
- <strong>タイサンボク</strong><div>○モクレン科モクレン属 / 常緑高木 / 雌雄同株 / 日当たりを好むが日陰にも耐える</div><div><br></div><div>タイサンボクは明治の初め頃に渡来した北アメリカ原産の樹木で、別名を白蓮木(ハクレンボク)とも呼ばれます。また、葉の裏の色から紅背木と呼ばれる事もあったようです。この葉裏の色は褐色の毛が密集していることによります。</div><div>葉も大きく厚い革質ことも相まって鬱蒼とした樹姿ですが、それとは対照的に大きく真っ白な花はその清々しさをまずは芳香で梅雨空のもと、私たちに知らせてくれます。</div><div><br></div><div>タイサンボクの漢字は大山木、泰山木と書かれる事が多いですが、牧野富太郎によると花の容姿が大きな盞(さかずき)に似る事から大盞木が正しいとあります。詩的で愛情あふれる観察眼ですね。</div><div><br></div><div>庭木としての人気も高く、下積み時代にお世話になったいくつかのお屋敷にもやはりタイサンボクの大木がありました。</div><div>そして大抵 "大きくなりすぎたから小さくして” と言われるのが常でした。萌芽力の衰えてる老木に無理を強いるのに気が引けたのを覚えています。</div><div><br></div><div>大木になるのでお庭に植えるにはそれなりのスペースが必要ですが、最近主流のリトルジェムという品種は成長が穏やかで大きくなりすぎず、若いうちから花をつけてくれます。そして花の後の実は鳥の好物でもあります。</div><div><br></div><div>○タイサンボクの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 6月~7月 、10月~11月 及び 2月~3月</div><div><br></div><div> 植栽、移植 5月~6月 及び 3月~4月</div><div><br></div>
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- カシ(樫)
- <strong>カシ(樫)</strong><div>〇ブナ科コナラ属/常緑高木/雌雄同株/日当たりを好むが日陰にも耐える</div><div><br></div><div>カシと一言にいっても代表的なシラカシとアラカシにはじまりウバメガシ、アカガシ、ツクバネガシ、イチイガシ、ウラジロガシなどがある。庭木でカシといえば関東ではシラカシ、関西ではアラカシが一般的とされるがこの限りではない。</div><div><br></div><div>いずれも材は堅い事から「樫」とされる。その堅さゆえに農工具の柄や木刀に使われたり、耐水性もあり船舶材として利用される。また木目も美しく床材に用いられている。</div><div>古くから人の暮らしに利用されてきたのは元々この種の自生が多かったからといえる。カシはブナ科の樹木なのでドングリがなる。春先、公園や寺院や森などでドングリから芽吹いた沢山の芽があちらこちらに目につく事を思ううとそれも頷ける。もちろんすべてが立派な樹木に成長できるわけではないが、常緑樹の実生は落葉樹のに比べて日陰によく耐え自分の出番をじっと待つ事ができるので森林の極相、つまり人の手を加えない森の最終形の優勢種となる。</div><div>この事実を基に植栽計画を立て、森をつくった人物がいる。その人物とは公園の父と呼ばれる本多静六と大造園家の上原敬二だ。そして、その森こそが明治神宮の森である。神社の境内の森は鎮守の杜であり人の手を加えてはいけない領域だから自ずとカシなどの常緑樹の森となる。それを人が計画的に創り上げたというのは正に偉業だと思う。</div><div>また、そうした森があらゆる災害から神社を守ってきた事からカシは防風や防火の目的で公園や街路や個人のお庭に意図的に植えられてきた。</div><div><br></div><div>そして人の暮らしと密接な関係はまだある。森をつくるドングリは食用にもなるし、ウラジロガシの葉や樹皮を煎じたお茶は、腎臓などの結石に効くとされ民間薬として現在に伝わる。ウバメガシは高品質で知られる備長炭の原料として重宝されてきた。</div><div><br></div><div>〇カシの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 2、3月 及び 5、6月 9、10月</div><div><br></div><div> 移植、植栽 2、3月 及び 5、6月 </div><div><br></div><div><br></div>
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- キンモクセイ
- <strong>キンモクセイ</strong><div>〇モクセイ科モクセイ属/常緑小高木/雌雄異株/日当たりを好むが日陰でもよく育つ</div><div><br></div><div>キンモクセイは中国原産で日本での自生はなく江戸時代に雄株のみが渡ってきました。そのため日本ではキンモクセイに実はつきません。もしもキンモクセイに似た木で実をつけているものがあれば、それはウスギモクセイです。こちらは九州地方で自生が見られるようです。そしてキンモクセイに似た木で花が白いものがあれば、それはギンモクセイです。この三種は葉っぱだけでは見分けがつかないほどよく似ていますが、見かける頻度は圧倒的にキンモクセイが多いでしょう。けれどこの三種のうちではギンモクセイが親玉でキンモクセイとウスギモクセイはギンモクセイの変種とされています。</div><div><br></div><div>キンモクセイは中国名を「丹桂」といい(キンモクセイと丹桂が同一種かは疑問視もされている)、これは「丹」が橙色をさし、「桂」がモクセイの仲間をさします。また中国では「桂」にあたるモクセイの仲間を「桂花」といい、「桂花茶」の原料として栽培されています。</div><div>日本ではその香りが重宝され、「ジンチョウゲ」と「クチナシ」と並び三香木とされています。秋風いっぱいに漂うキンモクセイの香りは私たちに季節の移り変わりを知らせてくれますが、その香りの成分にはモンシロチョウなどの忌避作用のあるのもがふくまれているそうです。またその香りの強さから、かつては便所の脇に植えられていたり、トイレの芳香剤としても定番となり、「便所の木」と嫌煙する声もなかには聞かれます。良くも悪くも私たちに馴染みの深いキンモクセイの花言葉は「謙虚」と「真心」です。</div><div><br></div><div>〇キンモクセイの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 2、3月 及び 5、6月 及び 10、11月</div><div><br></div><div> 植栽、移植 3、6月 及び 9、10月 </div><div><br></div><div><br></div>
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- ツバキ(椿)
- <strong>ツバキ(椿)</strong><div>○ツバキ科ツバキ属 / 常緑高木 / 日当たりのよい所を好むが日陰でもよく育つ</div><div><br></div><div>ツバキは日本原産の常緑樹で名前の由来ともなった艶やかで(艶葉木)厚みのある(厚葉木)常緑の葉の枝先につける淑やかな花が魅力の花木です。</div><div>古くから庭木として重宝され、そのため園芸品種も多く国内だけで2000種以上といわれ、その人気は国内にとどまらず欧米でも‟カメリア”という名で親しまれ品種改良が行われてきました。</div><div><br></div><div>そんな花に惹きつけられるのは人間だけだはないようで、花の時期にはメジロ、ヒヨドリ、ムクドリなどの鳥たちが花の蜜を求めてひっきりなしに飛んできます。ヒヨドリなんかはよっぽど好きなのか花びらごと食べてしまいます。やがて花の時期も終わる頃、花弁は散ることなく花の形のまま地面に落ちてしまいますが、あたり一面絨毯を敷いたようなその風景は‟落ち椿”と呼ばれ四季の移ろいを感じさせてくれます。けれどその花の落ち方が不吉だという事で武家の庭には植えられなっかったと聞きます。</div><div><br></div><div>花とともに魅力なのがその艶やかな葉っぱですが木の葉を好むチャドクガの幼虫には要注意です。その全身にある毒針毛に触れるととにかく痒くかぶれてしまい、その患部は掻くごとに広がりなかなか治まってくれないのです。しかもこの毒針毛は成長の過程で脱ぎ捨てた抜け殻にも毒を保ったまま残っています。さらに幼虫の間だけではなく成虫になっても毒針毛をもっているので注意が必要です。</div><div>けれどこのチャドクガの発生、市街地で見られる現象で自然環境下ではないそうです。</div><div><br></div><div>○ツバキの手入れ</div><div><br></div><div> 剪定 5~7月 及び 9~11月</div><div><br></div><div> 移植、植栽 5,6月 及び 2、3月</div><div><br></div>