クロマツ(黒松)
クロマツ(黒松)
〇 マツ科マツ属 / 常緑高木 / 雌雄同株 / 日当たりのよい所を好む
松の代表格といえば黒松ではないでしょうか。三保の松原に代表される「白砂青松」の風景は日本の原風景の一つです。それは黒松が潮風に対する抵抗性が強く、海岸の砂浜や岩上などのやせ地に自生していたことに加え、その特性を活かし古来より海岸線に植樹し、防風林として利用していた先人たちの知恵により受け継がれてきました。
ちなみに、黒松が海岸などのやせ地に生育するのに対し、赤松は尾根や岩山のやせ地に生育します。
この黒松と赤松は庭木として使われる松の代表で、それぞれの容姿から、黒松を男松(オトコマツ)赤松を女松(オンナマツ)と男女に例えて呼ばれました。
その違いは手入れにも表れます。黒松は枝を透かし古い葉を手で落として凛とさせるのに対し、赤松は枝葉の緑と幹の赤の対比がより鮮やかに艶やかになるように必要以上の枝透かしはせず、古くなった幹肌を剥ぎ取り幹の赤みを出すのです。
このほか庭木として使われる松には、五葉松や大王松や多行松があります。
材木としては古くから軟弱地盤の基礎杭として利用されてきました。松杭は地中では腐ることもなく百年もつとされ、実際に建築現場などでは古い時代に使われた松杭が原木のまま地中から発見されています。
そのほか、木目が大きく使い込むにつれ光沢が出ることから内装や廊下に使われることが多いようです。
また、松ぼっくりは松脂を多く含み、天然の着火剤としてアウトドアで活用され、松葉はいぶし瓦を製造する際のいぶし剤として使われたそうです。
○クロマツの手入れ
剪定 11~2月 及び 5~7月
みどり摘み(新芽が柔らかいうちに摘み取る作業) 5月中旬から6月上旬
移植、植栽 2、3月 及び 5、6月